
Text : Hisashi Haruki
競技監督 春木久史
近年のHTDEは おおよそ125kmぐらいのルートを1日1周するという設定になっています。タイム計測をするスペシャルテストは、ルート中に4カ所設けられています。スタートしてまもなくのテストは、ゴールの直前にもう一度走るので、1周で5回のスペシャルテストがあることになります。
また、IAクラス、IBクラス、NAクラスは、125kmの長いルートを走った後に、35kmぐらいの短いループを走ります。このループにもスペシャルテストが2~3カ所あるので、1日のテスト合計は7~8回になります。
JECの他の大会では、1周目のテストは下見としてタイム計測しないことが多いですが、HTDEでは下見ラップはなくて、最初のテストからタイム計測が行われます。
ルートの難易度
HTDEのルートは長く、変化に富むのが特徴です。距離としてはフラットな林道、荒れた林道が多いですが、河川敷や森の中、牧草地などのシングルトラックが、短いスパンで繰り返し出てきます。自然の地形が多いので判断ミスで大きくタイムロスをすることがあります。
クラス毎にタイム設定が違っているので、オンタイムで完走するライダーが多いです。ルートも、クラスによって一部変更される区間がありますが、これはその年によります。全体としては、ルートの難易度がすごく高い、という難しさではなく、長く、多様な状況で、一定のペースを保てるかどうかを試すように工夫しています。その中で、スペシャルテストでの速さを競います。
クラス区分とタイム設定
HTDEのクラス区分は大別して、JECクラスとOPENクラスに区分されます。
JECクラス(MFJエンデューロライセンス)
OPENクラス(MFJエンジョイライセンス)
JECシリーズでランキングを競わないライダーは、OPENクラスに自由に参加することができます。特にOPEN-Aクラスは、例えば以前はIAやIBで参加していたけど、タイム設定についていけなくなった、またはトレールバイクで参加したい、エンジョイ気分で参加したい、というライダーにおすすめします。エンジョイライセンスでもいいし、IA、IBのライセンスを持っていても参加できます。
OPENクラス
OPEN-A ED-IA.IB.NA所持者ほか上級者
OPEN-B 中級・北海道エリア選手権 承認B
OPEN-C 初級・北海道エリア選手権 承認C
OPEN-CW 初級・女性
OPEN-MINI 後輪16インチ以下の車両
タイム設定は、
・IA、IB、NAは共通のタイム設定を予定しています。
・NB、ウイメンズ、OPEN-A、OPEN-Bが共通。
・OPEN-C、OPEN-CW、OPEN-MINIが共通。
後輪16インチ以下の車両で参加できるOPEN-MINIが新設されました。過去、女性のライダーがこうした車両で参加して、充分に完走できることが確認できています。HTDEでは、基本が1日1周の設定なので、クラスによる速度差が競技性をスポイルすることがありません。小型のバイクでHTDEのコースを走破するのは簡単ではありませんが、充分な準備、戦略、判断力があれば、すべてのスケジュールをこなして完走するチャンスは充分にあります。
HTDEはすべてのクラスの選手が、2日間のスケジュールを通じて、ライターとしての技量を試す機会として準備し開催されるものです。「初心者ですが参加できますか?」というご質問が多いですが、お答えするのは難しく、実績として「参加した多くの人が2日間を走り切っています」とお伝えすることができるのみです。
大切なのは、誰かに比べて速い遅い、上手い、下手、ではなく、2日間を走り切るためのしっかりとした準備だと思います。完走できるかどうかは、一度やってみなければわかりません。しっかり準備をして臨むライダーをHTDEは歓迎します。スタートした全員が無事にパルクフェルメに戻れるように、私たちも一緒に努力します。